訪問診療（在宅医療）について

訪問診療（在宅医療）とは

訪問診療とは、医師が患者の自宅を定期的に訪れて診療を行う「在宅医療」の一形態です。高齢者や通院が難しい方に向けたサービスであり、医師が直接自宅に訪問し、病状の確認や必要な処置、薬の処方を行います。患者は住み慣れた環境で安心して治療が受けられるため、生活の質（QOL）の向上にもつながります。通院が難しい方やご家族にとって、訪問診療は大きなサポートとなる医療サービスです。

訪問診療と往診の違い

「訪問診療」と「往診」は似たように思われがちですが、提供される目的やタイミングが異なります。訪問診療はあらかじめ決められたスケジュールで医師が定期的に自宅に訪問する診療です。計画的に健康管理を行うことで、病状の安定化や健康の維持を図ります。一方、往診は、体調急変や緊急時に医師が要請に応じて対応する診療です。訪問診療は予防や定期管理が主な目的であり、往診は緊急対応を目的とした診療と考えると理解しやすいでしょう。

訪問診療と訪問看護の違い

訪問診療と訪問看護も異なるサービスです。訪問診療では医師が診察・治療を行い、必要に応じて処方を出します。これに対して訪問看護は看護師が自宅を訪問し、患者の健康管理や日常的なケア、リハビリサポートを提供します。訪問診療と訪問看護は役割が異なりますが、連携することで患者の生活全体を支える包括的なケアが可能になります。両者を組み合わせることで、患者は医療とケアの両面から支援を受けられます。

訪問診療のメリット

訪問診療には患者とそのご家族にとって多くのメリットがあります。最大のメリットは、通院が難しい方でも自宅で医療を受けられる点です。自宅に医師が訪問するので、待ち時間なく診察が受けられます。また、医師が定期的に訪問することで、病状の悪化を早期に発見し、予防的な対応ができるため、重症化リスクが軽減されます。さらに、移動にかかる負担やご家族の介護負担が軽減され、安心して日常生活を送ることができます。場合によっては、薬局の人が薬を届けてくれる場合もあります。急な発熱などにも、365日24時間お電話による医療相談が可能です。

訪問診療でご対応可能な範囲と対象となる患者様

訪問診療では、通院が難しい患者のために、自宅で幅広い医療サービスを提供します。病状に応じた診療科目や医療処置を自宅で受けられるため、患者の体力的な負担を軽減しながら安心して医療ケアを受けていただけます。以下に、在宅で対応可能な処置について一部ご紹介します。

診療科目

訪診療科目は主に以下の通りです。

• 内科：高血圧や糖尿病、認知症など、慢性疾患の定期管理や一般的な内科診療
• 皮膚科：褥瘡（床ずれ）や皮膚感染症の処置、予防ケア
• 形成外科：褥瘡（床ずれ）や壊疽などキズ
• 難病指定医：正確な診断と共に医療費助成の支給認定申請に必要な診断書（臨床個人調査票）を作成
• 指定自立医療機関(精神通院医療)：障害者総合支援法や指定自立支援医療機関療養担当規定に基づき、良質かつ適切な医療を実施
• 麻薬による緩和ケア：がんによる痛みなどの苦痛を緩和

これらの診療科目への対応が可能です。患者の症状や状態に合わせたきめ細かな医療ケアを自宅で受けていただけます。

対象となる患者様

訪問診療は、以下のような患者様に最適な医療サービスです。

• 通院が困難な方
• 慢性疾患や高齢者
• 緩和ケアが必要な方
• 日常生活動作に支障がある
• 認知症に対する医療的アドバイスが必要
• 退院後のケアが必要
• 尿カテーテルなどの排泄のサポートが必要

そのほかにもお困りごとのある方はお気軽にご相談ください。

訪問診療導入の流れ

当クリニックではは、患者が自宅で安心して医療ケアを受けられるよう、初回相談から診療後のフォローまで一貫したサポート体制が整っています。以下が訪問診療を利用する際の流れです。

保険に関して

医療費一部負担金について

当院では厚生労働省の定めた保険診療規則に基づき算定しております。
訪問診療は下記の条件で自己負担額が決定します。

• 現在の患者さんのお体の状態（重症度・病名など）
• お住まいのや施設形態（集合住宅・施設など）
• 同じ建物でのの患者さんの数（一人の場合、2～9人の場合、10人以上の場合）
• ※集合住宅・施設等にお住まいの方は、その月に他の受診有無により前月と大きな自己負担の差が発生する場合がございます
• 訪問回数、往診日時・検査・投薬・注射・管理料・処置内容等でも料金は変動します。
• 医療費自己負担1割負担の方は上限が18000円となります。
• 生活保護・障害者手帳・難病受給証をお持ちの方の負担割合は、他の外来等の医療機関と同じです。
• 診療報酬改定により変更が生じる場合があります。
• 医療・介護連携の増進目的のため介護保険にて、担当ケアマネジャー宛てに、適切な介護サービス計画立案資料となる「居宅療養管理指導書」を作成してお送りしております。
• 介護保険・居宅療養管理指導料：月額259～596円（1割負担の方）
  
  詳しくはお問い合わせください。

訪問診療でよくある質問

Q1. 急な体調不良や転倒などの怪我をした場合はどうしたらいいですか？

当院では24時間健康相談の電話対応をしております。医師の判断により臨時往診も行う場合もあります。一方で、緊急性が低い場合は電話指導のみでの対応であったり、訪問診療では対応困難と判断した場合は救急搬送や翌日以降の外来受診を指示する場合があります。
当院の往診は救急対応ではありません。医師の診察や施術等の対応により、往診までお待ちになっていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

Q2. 医療・介護保険一部自己負担金以外に費用はかかりますか？

患者さんが保険適用外治療をご希望された場合は費用が発生いたします。当院では、先進医療検査も導入しております。お気軽にお問合せください

Q3. 診療の曜日や時間帯は指定できますか？

訪問診療の曜日や時間帯については、できる限り患者様のご都合に合わせて調整いたします。ご希望があればご相談ください。

Q4. お薬は届けてもらえますか？薬局に取りに行きますか？

診察時に処方がある場合は処方箋をお渡しします。ご家族様やヘルパーさんなどがお近くの調剤薬局に直接取りに行くことは可能です。一方そうではない場合は、ご自宅まで薬剤師がお薬をお届けする薬局（有料：保険適用）を紹介することもできます。

Q5. 家族も同席することはできますか？

はい、診療時にご家族が同席いただくことは可能です。同席していただくことで、患者様の状態や今後の治療方針を共有しやすくなり、ご家族の安心にもつながります。気になることがあれば、その場でご質問も可能です。

Q6. どんな病気・状態でも診てもらえますか？

在宅医療は、治療内容に限りがあります。そのことを十分にご理解いただき、ご納得された上で、同意書にサインしていただき、お申込みしていただいております。可能な限り、患者さんやご家族のご意向に沿った訪問診療を他職種と連携して行ってまいります。また、状態は、経過とともに変化してまいります。訪問診療導入時とは、ご希望が変化する可能性もございます。その都度、ご相談や話し合いを設けまして、医師確認の同意書を作成してまいります。

Q7. 定期的な訪問診療にかかっていないが、往診は来てくれるの？

外来通院困難な方の陥入爪処置や褥瘡の対応など、他の医療機関でかかりつけ医がいるが形成外科分野での往診希望の場合や先進医療での対応は往診でも受けつけております。お気軽にお問合せください。

川越の訪問診療 ビアジェネラルクリニック